2023年度 理事長所信

2023年度 一般社団法人都留青年会議所 理事長所信

魅力溢れる未来へ ~視点を変えれば価値が変わる~

【はじめに】
 時代は確実に変化しました。言い換えれるとそれは、人々の価値観と行動が変わった、ということだと思います。その要因は、私は大きく次の二つだったと思います。
 一つは、新型コロナウイルス(以下、コロナ)の蔓延です。感染拡大の度に行動は制限され、人と直接会うことも難しくなりました。人々のつながりは薄れ、世の中の活気は以前よりなくなってしまったように思います。また、コロナ対策についても、それぞれの立場で考えや主張があり、確実な正解は無いという混沌とした世の中は続いています。
 もう一つは、昨年 2 月に起きたロシアのウクライナ侵攻です。突如として起きた戦争は、世界中に平和の大切さを再認識させました。私たちの生活も、ボタンをいくつか掛け違えると、どうなるかわからないという不安を感じる方もいるのではないかと思います。また、戦争の影響により世界的に物価高が進んでいます。加えて、日本では失われた 30 年とも言われるように経済の成長は厳しくなっていると感じます。このような時代において、若者は昔のようには、安心して夢を描きにくいと思います。だからこそ、私たち青年会議所が地域において、明るい豊かな社会を目指して、活動していくことの価値は高まっています。先輩方が築いてくださった地域での信用に感謝し、私たちは 56 年目の歩みを進めてまいります。
 変化の速い現代において、今年度は視点を変えるということを大切にしていきます。先ほどの二つについても、社会に新たな視点をもたらしたということもあります。コロナによる社会の変化は、オンラインの活用などが著しく進み、多くの人が新たな価値を実感しました。戦争行為については良い面はありませんが、これからの未来について、真剣に考えなければならないという動機を与えることになったとも言えます。
 一方地域に目を向けると、少子高齢化は確実に進み、コロナにより人々の関係も薄れてしまっているように思います。しかし、だからといって、この地域は魅力がないのでしょうか。私はそうは思いません。自然資源や文化伝統、住みやすい環境など誇れるものが多くあります。そして、その最たるものは、地域を支え、未来を見据えて挑戦する人々や若者ではないかと考えています。本年度は、活動を仕組み化していくことで、地域の発展やメンバーの成長に繋げ、より魅力溢れる未来を創造していきたいと思います。

【魅力溢れる未来 ~Vision~】
 魅力溢れる未来を次のように描いて活動していきます。

 地域:地域の団体、人々の繋がりが深くなっている未来

 人:学ぶ楽しさを感じ、学び意欲が高まっている未来

 組織:一人ひとりが活動に楽しさを感じ、多くの参加がある未来

【会員拡大】 
 仲間と活動することは青年会議所活動でとても大切なことです。苦楽を共にし、真剣に活動し成長の機会を掴んでいくことで、生涯の友人をつくることができるのだと思います。まだ魅力を知らない方へこの貴重な機会を提供していくためにも、積極的かつ楽しさをもって会員拡大に取り組んでまいります。
 なお、都留青年会議所では近年25名規模の会員で活動してきましたが、現在のメンバーのうち、23年度に5名、24年度に8名の卒業を予定しております。組織の存続のためというだけでなく、持続的にまちづくりを行っていくためにも会員拡大は大切な事です。次世代により良い形で会を受け継いでいくためにも会員拡大の意識を一年間大切にしていきます。

目標:2023年10月末までに10名の拡大

<会員拡大チーム>
今年度は拡大委員会を設けていません。拡大活動を全員で行うことは、重要なことですが、一方で、責任者が曖昧な場合には、拡大がうまくいかないという傾向もみられます。そのため、委員会外で数名の方が拡大の主軸となり、会全体で拡大を推進していきます。

・会員拡大情報の取りまとめ
・メンバーを巻き込んだ会員拡大活動の実施

【組織改革】
 入会後も楽しく有意義な活動を継続していくためには組織改革をしていくことが求められていると思います。現在は、特定の方に負担が寄りすぎている傾向があると感じておりますので、役割を分散し、一体感を持った組織を目指します。そのため、重要テーマとして、「メンバーの参加向上」を図ります。
 参加“率”としていないのは、機会に対して参加要請を強めるということではなく、参加しやすい活動を増やし、参加意欲を高める取り組みを行うことで、これまであまり参加されていない会員の方や新入会員の方も参加しやすい機会の増加を図りたいと思います。また、そのためには、JC・ライフバランスとでもいうべき、特定役職の負担軽減や効率化を会全体で検討していきます。これは会社における改善と似ています。タイミングに囚われず、良いと思えることを実施していきたいと思います。これらの活動により、一人ひとりが活動に楽しさを感じ、多くの参加がある状態を目指します。

<例会について>
講師を呼ぶことや単日で開催することだけが、例会の在り方ではないと思います。一定期間の開催や、自ら学ぶ勉強会の開催などこれまでの手法に囚われずに、より効果的な方法も検討していきます。

<役割の分担>
副理事長、委員長という役職だけに負担かかかるのではなく、多くの役割を分担していくことで、会全体が活性化してくると考えます。そこで本年は様々な拡大、広報、交流、出向、などの担当をつくり、役割を分担していきます。

<出向の機会>
出向することで、LOMでは出来ない様々な経験ができ、幅広い人脈をつくることにつながります。
昨年、都留青年会議所では山梨ブロック協議会へ天野さやか先輩をブロック会長として輩出させていただき、他LOMの皆様に大変お世話になりました。本年はそのご恩を返していけるように、また多くの方へ新しい機会を提供できるように、出向の機会を働きかけていきます。

【学び楽しさ委員会】
 コロナ禍により中止していた「わんぱく相撲」を開催します。例年相撲を通し、学びと楽しさを伝えてきました。少子高齢化が構造的に進んでいくことか決まっている中で、これまでのような形で開催できるのか、変化の速い社会の中で、どのような事を伝えていくのか。今後のわんぱく相撲の開催方法も考えながら実施します。
 また、コロナにより地域での交流機会は減り、関係性は薄れてしまったように感じます。オンラインでの交流は増え、新しいコミュニケーションの形も出来てきたとはいえ、あらためて地域に目を向け、多くの方と繋がりをつくり、地元を盛り上げられる機会を創出します。

・5月例会の実施
・9月例会の実施
・メンバー交流機会の実施
・会員拡大の実施
・新入会員のフォローアップ

<メンバー交流担当>
メンバー間での交流も薄れてしまったように感じます。また、コロナ後に入会した方とは、そこで定期的に気楽にメンバー同士が交流する機会を設けていただきます。

交流会の実施

【まち未来委員会】
 まちの魅力とは有名な観光地や自然ということもありますが、人にこそあります。普段生活している中で当たり前になっていて、魅力に気付いていないということはないでしょうか。魅力を再発見し伝えていくことで、まちへの愛着は深くなると思います。地元の企業、人々と連携し、まちの魅力を再発見する機会を創出します。

・2月例会の開催
・4月例会の開催(4LOM合同例会)
・10月例会の開催
・SNSによる広報活動の実施
・会員拡大の実施
・新入会員のフォローアップ

<広報担当>
広報活動の目的は、都留青年会議所の信用を高めたり、活動に親しみもってもらったりすることだと思います。そのためには、世の中の方に認知されなければならず、現代においてSNSの活用は大切な要素です。今年度は楽しさ(魅力の発信)と更新頻度に重点を置き、広報活動を行っていきます。

SNSの更新

【総務委員会】
 総務委員会は青年会議所活動の根幹を支える重要な役割を担っています。より良い活動をしていくためには、小さな改善をしていくことが大切だと考えています。一例として、会議が長時間になってしまうことがあります。これについては、各副理事長、議長に責任感をもっていただくとともに、会議の効率化、仕組み化を行い、より円滑な運営ができるような取り組みをしていきます。また、活動においては、各委員会、国際交流会議と連携し、多くのメンバーが各種の機会に参加できるよう努めていきます。併せて、広報に関しては、まち未来委員会と連携し、多くの方に活動を知っていただけるよう活動していきます。組織改革の中心を担う委員会として活動いただき、より楽しく価値があると思える青年会議所活動ができるよう運営していきたいと思います。

・都留青年会議所の円滑な運営と他団体との窓口対応
・SNSによる広報活動の実施
・運営資金の管理、監督
・災害発生時の対応
・3分間スピーチの実施
・3月例会の実施
・7月例会の開催(献血事業)
・12月例会の開催(卒業証書授与式)
・新入会員のフォローアップ

<コンプライアンス担当>
会議をより価値の高いものにし、より良い運動をしていくためには、コンプライアンス(法令遵守)の観点できちんと確認をしていくことが求められます。総務委員会がコンプライアンスの責任者として、現会員も含め、新入会員への説明を行います。

新入会員へのコンプライアンス勉強会の実施

<strong>(国際交流会議)</strong>
 青年会議所の理念のひとつに、世界との友情があります。都留市はアメリカのテネシー州ヘンダーソンビルシティと姉妹都市提携をして今年で40年となります。コロナ蔓延前には、5年に1度、都留市から小学生を現地にホームステイさせていただき、様々な交流をする事業を行ってきました。現在は検討せねばならないことが多いため、ヘンダーソンビル友好委員会と連携し、在り方を模索します。
 各種条件が許す場合には、ヘンダーソンビル友好委員会と協力し、両市の青少年の交流を図る機会を設けさせていただきます。当事業は多くのメンバーに周知した方がよいと感じており、全メンバー出向といたします。

・8月例会の開催

【結びに】
 世の中で成功しているどんな人も失敗をしていない人はいません。失敗は怖いものだという風潮が日本にはありますが、成功に向かっている途中だと捉えることで、前に進む勇気に繋がります。青年会議所では失敗も、成功もできます。その体験が経験となり、多くの学びを得られます。
 一貫した考え、行動は立派であると思います。しかし、一方で、時代の流れが早い現代においては、変化に対応し、未来に対して行動していくことにも価値があります。
 失敗を恐れず積極的に行動し、人と繋がっていくことで、新たな可能性が拡がります。私自身この一年を通して、成長していきたいと思いますし、多くの方に青年会議所に入った価値をより感じていただけるようにしたいと思います。そのためには、誰もが活躍できるような仕組みを整えていくことが必要だと考えています。
 地域、人、組織、それぞれの魅力が増していくことで、ワクワクする未来を魅力溢れる皆様と共に楽しみたいと思います。一年間どうぞよろしくお願い致します。


一般社団法人都留青年会議所 第56代理事長 久保田 憲


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